遠い遠い未来のお話。
そのころ、地球の空気はどんな生き物も住めないほどにすっかり汚れてしまっていました。
そして、ついに人間達が地球を逃げ出す日がやってきます。このときのために、ひそかに作られていた何百もの脱出用宇宙船に乗り込んで、人間達は次々に宇宙へ飛び立ってしまいました。
後に残されたのは、誰もいない、草木も生えない廃墟ばかりの灰色の世界でした。
地球から人間達の姿が消えて、どれほどの時が過ぎたでしょうか。
誰もいないさびしい世界に、あるときひょっこり現れたのが、それぞれ異なる力を秘めた不思議な木「ボンサイ」を背負った、小さないきもの「ボンボン」です。
ボンボンは、しだいにその数が増えていき、いつしか村を作ってそこで暮らすようになりました。
ボンボン達は毎日、畑を耕し森の世話をし、少しずつ周りの緑を取り戻していきます。
「ハハノキ」は、ボンボン達が生まれる以前、人間達が地球を去るのと時を同じくして芽吹き、長い年月をかけ大きくなりました。
ボンボン達はみな、ハハノキに成る丸い緑の「コケダマ」から生まれてきます。
コケダマを孵化させる「ゆりかごの部屋」を始めとする、たくさんの不思議な部屋や仕掛けはなぜ、何のためにあるのでしょう?
村のボンボン達の誰も、長老ブリュノですらも知らない「真実」が、少しずつ解き明かされていきます。
神秘に満ちたハハノキを守り隠すかのように、山深く巨大な森にぐるりと囲まれたボンボン村。
ボンボン達は、ハハノキの麓を中心に、畑を耕したり森の世話をしたりして、静かに平和に暮らしています。
ところがある日、不思議な「青いコケダマ」が見つかって村は大騒ぎに。
そして生まれた「ライル」をきっかけに、森の果てに広がる世界へ、ボンボン達の謎解きの冒険が始まります。